岐阜から県境を歩いて越える旅 その3 北濃~九頭竜湖 乗り継ぎ記(2017/11)

訪問記・旅行記

首を長くして本編を待っていた皆様、お待たせしました。もう何ヶ月も軽い記事ばかりということで、大型連休を利用して書きました。

概要

前回の記事の続きではあるのだが、もう何記事にも分かれてしまっているので概要説明。

旅の主な目的としては、長良川鉄道とJR西日本越美北線(九頭竜湖線)の乗りつぶしである。

ただ、どちらも盲腸線であるため効率が悪く、だったら両終点の間をバスと徒歩でつなぎ通り抜けようと言うもの。

なぜ県またぎで両終点間が遠いのに通り抜けができるのかは後述。

最初の記事である樽見鉄道、主目的には無関係であるが当記事で出てくるバス等の時間を考慮した行程を組んだ結果初日の午前中が空いたため組み込んだ形である。

ここまでの記事

既にこの旅4記事目になるので、今までの記事を旅の時系列順に紹介。

岐阜から県境を歩いて越える旅 その1 樽見鉄道樽見駅 訪問記(2017/11)
月末駆け込みということで、またダイヤ改正で引退した車両の話にしようかと思ったものの、引退した車両が多すぎて写真を探すのが面倒になり旅行記とした。乗り鉄界隈ではそこそこ有名な岐阜~福井の徒歩県境越えを含む旅の話だが、この記事ではまだ県境を越...

最初の記事。こちらは前述のとおり主目的とは無関係で、長良川鉄道に行くついでに訪問。

岐阜から県境を歩いて越える旅 その2 長良川鉄道北濃駅 訪問記(2017/11)
相変わらずの月末駆け込み。前回記事の続きですが、正直そんなに中身ないです。長良川鉄道北濃駅(概要)北濃駅は岐阜県郡上市白鳥町歩岐島にある、長良川鉄道越美南線の駅。越美南線の終点である。北濃駅舎...

2つ目。長良川鉄道側の終点北濃駅の記事。

ホテルヴィラ・ウイング(ウイングヒルズ白鳥リゾート) 宿泊記(2017/11)
ホテルヴィラ・ウイングは岐阜県郡上市白鳥町石徹白第135号葡萄ヶ原1-9にある4階建のホテル。ウイングヒルズ白鳥リゾートの施設の一つ。アクセス鉄道の最寄は長良川鉄道の終点である北濃。スキーリゾートのホテルである為車...

3つ目。今回乗り継ぎするのにあたって泊まった宿の記事。

なぜ通り抜けができるのか

北濃~九頭竜湖間の通り抜けができる理由としては両終点の所属路線の成り立ちに由来する。

岐阜側が長良川鉄道越美南線、福井側がJR西日本越美北線(愛称としては九頭竜湖線)となっている。察しのつく方もいると思うが、両線は国鉄越美線という1つの路線として計画されたものだった。言うまでもなく北濃および九頭竜湖までは建設・開業したが、残りは工事中止となり未成線となっている。

そういう経緯もあり、2000年代はじめまでは両線を結ぶJRバス路線が存在していた。(ただしルートは予定ルートと若干異なる)

今は両終点からある程度の場所までそれぞれコミュニティバスが運行されており、それぞれのバス停同士一番近い場所で8km程度、徒歩ルート区間は大きな起伏が少ないため挑戦しやすいというのがあると思われる。

本編

出発(ウイングヒルズ前バス停) 6:30頃

北濃~ウイングヒルズ間はこれまでの記事で書いているので、メインの日の朝からスタート。徒歩でウイングヒルズ前バス停へ。

残念ながらこの日は雨。バス停はリゾート施設への連絡通路の真下付近にある。

コミュニティバス石徹白(いとしろ)線のバス停。運行は白鳥交通。6時半すぎ・13時前・18時すぎの3本しかなく、昼の便はデマンド運行であるため事前予約が必要になる。(予約者がゼロの場合運行されない)

今回は6時半すぎの便に乗車。福井側のコミュニティバスの時間を考えると余裕がありすぎるのだが、バスを使わないと歩く距離が4km弱増え起伏もあるため徒歩のスタート地点で時間を調整することにした。

下在所バス停(徒歩スタート地点) 6:40頃

バスに乗り5分程度で徒歩のスタート地点、下在所バス停に到着。ここはバスの終点ではなく、石徹白集落のさらに奥、上在所が終点。小さいが屋根付き待合所があったので、ここで朝食兼時間調整として20分ほど休憩。

徒歩スタート・上前川橋 7:00

キリ良く7時まで休憩して出発。バス停の目の前に橋がある。(写真は出発前に撮影)渡って左が福井方面でそちらへ向かう。ちなみにバスは右へ曲がり集落の方に入っていく。

ここからは時刻を細かく併記していくので、所要時間の参考になれば幸いである。普段の歩行速度は早いほうだが、立ち止まって写真を撮りながら歩いているため、結果的に一般的な速度とそう変わらないか少し遅めかもしれない。

橋2 7:09

2本目の橋から。橋の名前が調べてもわからなかったので便宜上橋2とする。1枚目が進行方向方面。橋を渡った少し先あたりまでは川沿いに建物がある。

建物群 7:10

橋を渡った先の建物群。朝早いこともあってか、人の気配は感じられなかった。

規制看板(岐阜側)・白小橋 7:14

先を進むといよいよ建物がなくなり、規制看板が現れる。雨量が一定以上になるとここから先は通行止めになるようである。看板の先には白小橋という小さな橋。ここから福井県境まで、小さな橋でも脇に橋の名前を記した看板が立てられていた。

石徹白橋 7:19

今度はそこそこ立派なコンクリート橋が現れた。ここには川の名前を記した看板もあった。渡った先に重機があり、この辺までは日常的な人の出入りがあるのかもしれない。ここから県境を越えた先にある石徹白ダムまで川を左手に見ながら進む。

トンネル 7:26

川を見ながら進んでいくと、トンネルが出現。写真でも反対側の出口が見えるほど短く、全部で8kmほど歩いた中で意外にもトンネルはここの1ヶ所だけだった。

こみぞ橋 7:31

トンネルを抜けさらに歩くと「こみぞ橋」という看板のある場所にさしかかる。道路を見ても橋なのかどうかわからないレベルだが、右手を見ると小さな滝があり一応橋であることがわかる。

鬼神橋 7:33

変化のない景色の中を進んでいくと今度は「鬼神橋」という橋が現れる。上のこみぞ橋と規模は大差ないが、こちらは橋の下のくぼみがはっきりしている。こちらも右手を見ると小さな滝が流れていた。

岐阜・福井県境付近 7:35

鬼神橋を過ぎると唐突に「(株)田舎暮し」というのぼり旗が出現。調べてみると郡上市にある別荘地を中心に取り扱う不動産業者らしいが、いくらなんでもここは田舎過ぎやしないだろうか。

ここが県境。はっきりと「岐阜県」「福井県」という看板が立っているわけではないが、川の漁業権の管轄が変わるためそれぞれの漁業組合の看板が立てられており察することができる。

双方から県境を越えた少し先には岐阜・福井それぞれの県道としての看板が立っている。

通ったときは気づかなかったが、振り返ってみると鬼神橋の脇に岐阜県道の看板が確認できた。

謎のロープウェイ 7:41

県境を越えて5分ほど、謎のロープウェイが現れた。荷物用と見られ対岸へ渡せるように設置されている。小屋の前に立ち入り禁止の札があるだけで、特に用途がわかりそうな看板等はなかった。

砂防堰堤 7:45

引き続き小さな支流の橋を渡りながら進んでゆくが、福井側は橋の看板がない為名前がわからない。ここは橋付近から山側を望むと大きな砂防堰堤があった。

小谷堂守護本尊堂跡 7:53

福井県側は橋の看板がない代わりに県道の看板がところどころ立っている。道は砂防堰堤の手前で川から離れ、しばらく木々の中を進む形となる。

進んでいくと「小谷堂守護本尊堂跡」という看板が現れる。道が木々の中を進んでいく辺りはかつて集落があったようで、ここにお堂があったことが示されている。

小谷堂付近 8:00頃

住所的には福井県に入ってからずっと「小谷堂」だが、特に名前をつけられるほどの特徴あるものが見当たらなかったので勝手に「小谷堂付近」としている。

道が木々の中を通っているエリアを抜けると上り坂となり、川を下に見下ろすような高さになってくる。

ここまで来ると川幅も広い。

遮断機 8:11

集落跡付近を抜けて10分ほど進むと遮断機が出現。どうやら冬季や災害時の通行止め区間の境界を示す遮断機のようである。ここからは道路に中央線が現れ2車線となる。

石徹白ダム 8:17

遮断機を過ぎて程なくするとダムに行き着く。石徹白ダムといい、全国的に数の少ない重力式アーチダムである。底が見える位水は綺麗だが、ダムの高さに対してかなり砂等が堆積しているように見えた。発電用のダムではあるが近所に発電所はなく、ここで取り入れた水は7km超にも及ぶ集水トンネル経由で九頭竜湖へ流しているとのこと。

銭神橋 8:17

ダムを過ぎるとすぐに銭神橋という橋で川を渡る。ダムの目の前で渡っているのでダムをほぼ正面から見ることが可能。

ここで石徹白橋を渡って以来初めて川を右手に右手に見るようになる。が・・・(後述)。

小屋の谷橋 8:22

実は銭神橋を渡って数分もせずに次の橋があり、また川を左手に見るように戻った(笑)

朝日前坂 8:37

橋を過ぎひたすら進むと、川の近くに建物が見えてくる。徒歩のゴールである前坂家族旅行村の建物のようだった。県道看板の通り住所は朝日前坂。バス停のある家族旅行村の入口はもう少し先。

片側交互通行の看板があったが、進むと土砂崩れの跡があった。

家族旅行村バス停 8:41

無事に家族旅行村バス停に到着。スタートして1時間40分あまり。しかしバスが来るのは1時間半後。雨であまり動き回るわけにもいかず、正直ここで待っている時間が一番辛かった。

福井側の規制看板はこちらに設置されている。待ち時間の間、来た道を眺めていたら猿が通りかかったりするイベントもあった。

バス停の名前となっている家族旅行村、わかりにくい名前が付いているが早い話キャンプ場であり、施設の看板は「前坂キャンプ場」となっている。このときは当然ながらオフシーズンでチェーンが張られ立ち入り禁止になっていた。

バス停から九頭竜湖方面。周辺に人家がある気配はない。

大野市営バス 前坂線 九頭竜湖駅行 10時半頃

待ちくたびれた頃にバスが到着。この便は電話予約が必要で、バス停に着いた時点で予約を入れていた。

九頭竜湖駅 10:50頃

11時前に九頭竜湖駅に到着。11時過ぎに九頭竜湖を発車する越美北線の列車に乗車した。今回の記事はここまで。九頭竜湖駅は単独の記事として後日作成予定。

まとめ等

朝早かったり天気が悪かったりバスの待ち時間が長かったりいろいろあったが、面白い経験になった。徒歩ルート部分の流れもある程度把握できるように書いたので、今後挑戦する人の参考になれば幸いである。

ちなみにこの旅自体はまだ続きがあるのでまた順を追って書いていくことにする。

コメント

タイトルとURLをコピーしました